2020.7.23(木)- 8.2(日)
at AXCIS CLASSIC 1F
close Wednesday

 

ドイツのヴィンテージ花器が持つ独特な風合いや色合い。一点モノなので店頭で是非、手に取って感じてみてください。

 


〈Fat Lava ファット・ラヴァ〉

第二次世界大戦の終戦を経て、陶磁器産業が盛んになったドイツの1950-1970年代。ヨーロッパ諸国よりも遅れを取っていたものの、ナチスから解放され、バウハウス理念を受け継ぐものが再登場したことも相まって、数多くのメーカーから芸術的な陶器が続々と誕生しました。1950年代は形やパターンなどデザインに特化したものが多く、1960年代に入るとそれはがらりと様変わりし、それまでとはまったく異なる雰囲気を持つものが登場し始めました。とあるメーカーの発表した陶器が火付け役となり、表面的に特徴的のある【Fat Lava(後に命名される)】が大きな生産ブームとなっていったのです。【Fat lava】とは直訳すればふくよかな溶岩。流れるようなディティール・燃ゆるマグマのようなカラー・粗い溶岩石のようなテクスチャーなど、表現は各メーカーさまざまなものがありました。黄金期にそれらを生産していたのは小さなスタジオを入れれば100は超えるとも言われています。設計やデザインを手がけ人気のあったデザイナーも多数存在しました。プロダクトデザインが出始める1980年以降それらは衰退しはじめ、今もなお同じスタイルで生産しているメーカーはほんの一握りとなっていきます。
時を経て、2006年イギリスでそれらを【Fat Lava】と称して大規模な展覧会が行われます。世界中から3500人が訪れたと言われたその展覧会を皮切りに名実ともに世界規模で一気に広がります。そして今ではヨーロッパ諸国を始め、海を越えアメリカなどでは高額で取引されることも数多く見受けれます。現代に通ずる高いインテリア性であり、また、それらが堅牢で最高のコンディションを保ったままであることが多いゆえ、50年以上の時が経った今も色褪せることなく人々を魅了し続けているものだと考えています。